AKISHAの想い

AKISHA(空き社): 名は体を表す

「空き社」は、日本の深刻な問題として捉えられている「空き家」問題に由来して名付けられた造語です。空き家は地方や都市郊外で日常的に見られますが、近年では都市部でも増加傾向にあります。企業も同様に、跡継ぎがおらず生業が消えてしまう状況に直面しています。

なぜこのような現象が起きているのでしょうかか?それは急速な高齢化と歴史的な低出生率、若年層の都市部への労働移住、そして固定資産税の負担増など多岐に渡る要因が挙げられます。

企業においては、今後2030年までの間に、現在の経営者が75歳以上となり後継者がいないため、122万社を超える日本の中小企業が廃業に直面すると推定され、その結果、650万人以上の雇用に直接的な影響を及ぼすとされています。しかし、これらの企業のうち55%は廃業時点でも実際には黒字経営であり、日本の国内総生産(GDP)の損失は、実に22兆円に上ると試算されています。

後継者がいれば持続できる企業が多い──AKISHAはそこに注目し、支援を展開しています。

「空き社」という社会的・商業的危機に対し、AKISHAは持続可能で継続的な事業再生を目指し、まったく異なるアプローチを採用しました。
それは現地・現場を重視する企業に寄り添い、軸としたものです。

現場、現物を大切にする事業承継に不安を抱える経営者に対し、私たちのアプローチは過半数以上の株式取得を通じて、将来の成長に向けた事業継続性の確保、従業員の労働環境整備などを伴走型で支援し、共通化したバックオフィス体制の導入で社内業務の効率を高めます。加えて、国際色豊かなチームが円安の追い風も活かし、欧州をはじめ海外展開を後押しします。

こうした企業の再生を通じて、かつて世界的に高く評価された「Made in Japan」品質のものづくりブランドを再び蘇らせることを目指しています。卓越した品質と顧客満足は、日本の誇る「ものづくりDNA」に深く根ざしています。

AKISHAはいわゆる「失われた30年」を経た今、再び日本企業が力強く歩み出し、持続可能なグローバル成功を実現するためのパートナーでありたいと考えています。


感謝から行動へ:AKISHAの「恩返し」理念の背景にあるストーリー

日本は今、静かで切迫した危機に直面しています。高度な技術を持つ職人の高齢化、世界トップクラスの製造中小企業、そして古くから受け継がれてきた生産技術が失われつつあります。それは需要がなくなったからではありません。むしろ、この損失は、経営者の高齢化と後継者不足に起因しています。

AKISHAでは、これは日本の損失であるだけではなく、世界全体の損失だと確信しています。


ビジョンから価値へ

EU外交官として10年近く日本をはじめとするアジア太平洋諸国で勤務した経験を持つルディは、日本の後継者問題が単なる経済的な脅威にとどまらないことと捉え、深く人間的かつ文化的な問題でもあると認識していました。AKISHAでは、EU企業とアジア太平洋地域間のビジネス支援で培った経験を活かし、日本の優れた中小企業の本質を守りつつ、将来を見据えた企業経営を支援しています。

私の歩み:EU外交官からAKISHA株式会社の共同創業者へ

「計10年以上にわたる日本とのつながりにより、日本は単なる仕事上の場所ではなく、第二の故郷となりました。EU外交官として、ヨーロッパ企業の日本市場参入を支援するプログラムに携わり、その独特のビジネス文化と複雑な言語を理解しました。

日本が私と家族を温かく迎えてくれたことに深く感謝し、強い絆を感じています。そのため、EU外交官を退任後、AKISHA株式会社の共同創業者として、外交官として得てきた知見を日本の中小企業とヨーロッパでの新たなビジネスチャンスに結びつけ、持続可能なものにすることです。EU全域に広がるネットワークを活かし、両地域に利益をもたらすために、この使命を果たしていきます。」

ルディ・フィロン(共同創業者/CEO)